2020年4月10日現在のオンライン服薬指導等のポイント
point1
保険薬局において、保険医療機関から送付された処⽅箋情報に基づき調剤を⾏い、オンライン服薬指導等を⾏うことができる。(処⽅箋の備考欄に「0410 対応」との記載有り)この場合、対⾯診療、オンライン診療を問わず、オンライン服薬指導等を⾏うことができる。
point2
全ての薬局において、薬剤師が、患者、服薬状況等に関する情報を得た上で、オンライン服薬指導等を適切に⾏うことが可能と判断した場合には、当該オンライン服薬指導等を⾏うことができる。
point3
患者に初めて調剤した薬剤については、患者の服薬アドヒアランスの低下等を回避して薬剤の適正使⽤を確保する対応を⾏う必要がある。
point4
オンライン服薬指導等が困難と薬剤師が判断し、対⾯での服薬指導を促すことは、薬剤師法の調剤応需義務違反には当たらない。
point5
4⽉10⽇事務連絡に基づき調剤を実施した場合、調剤技術料、薬剤料及び特定保険医療材料料を算定することができる。
また、同事務連絡にて規定するオンライン服薬指導を⾏った場合、その他の要件を満たせば、薬剤服⽤歴管理指導料等を算定することができる。
処方箋の取り扱い
医療機関
患者が、薬局においてオンライン服薬指導等を希望する場合
- 患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にFAX等により処⽅箋情報を送付する。
- 処方箋の備考欄に「0410対応」と記載する
- その際、医師は診療録に送付先の薬局を記載する
- 処方箋原本を保管し、処方箋情報を送付した薬局に当該処方箋原本を送付する
オンライン診療により処方を行う際、診療録等により患者の基礎疾患を把握できていない場合は、処方箋の備考欄にその旨を明記する。
FAX等による処方箋情報の送付
調剤薬局
医療機関から処方箋情報の送付を受けた薬局は、医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は、FAX等により送付された処方箋を、処方箋原本とみなして調剤等を行う。(薬剤師法第23条~第27条、医機法律第49条における処方箋)
薬局は、可能な時期に医療機関から処方箋原本を入手し、以前にFAX等で送付された処方箋情報とともに保管する。
オンライン服薬指導等の実施について
全ての薬局において、薬剤師が、患者、服薬状況等に関する情報を得た上で、オンライン服薬指導等を適切に⾏うことが可能と判断した場合には、当該オンライン服薬指導等を⾏うことができる。
患者、服薬状況等に関する情報
- 患者のかかりつけ薬剤師・薬局として有している情報
- 当該薬局で過去に服薬指導等を⾏った際の情報
- 患者が保有するお薬⼿帳に基づく情報
- 患者の同意の下で、患者が利⽤した他の薬局から情報提供を受けて得られる情報
- 処⽅箋を発⾏した医師の診療情報
- 患者から電話等を通じて聴取した情報
ただし、注射薬や吸⼊薬など、服⽤に当たり⼿技が必要な薬剤については、①〜⑥の情報に加え、受診時の医師による指導の状況や患者の理解に応じ、薬剤師がオンライン服薬指導等を適切に⾏うことが可能と判断した場合に限り実施することができる。
なお、当該薬剤師がオンライン服薬指導等を適切に⾏うことが困難であると判断し、対⾯での服薬指導等を促すことは薬剤師法第21条に規定する調剤応需義務に違反には該当しない。
オンライン服薬指導等を実施する場合の留意点について
オンライン服薬指導等を⾏う場合は、以下4条件を満たした上で⾏うこと。
条件1
薬剤の配送に関わる事項を含む、⽣じうる不利益等のほか、配送及び服薬状況の把握等の⼿順について、薬剤師から患者に対して⼗分な情報を提供し、説明した上で、当該説明を⾏ったことについて記録すること。
条件2
薬剤師は、オンライン服薬指導等を⾏うに当たり、当該患者に初めて調剤した薬剤については、患者の服薬アドヒアランスの低下等を回避して薬剤の適正使⽤を確保するため、調剤する薬剤の性質や患者の状態等を踏まえ、下記4点を実施。- 必要に応じ、事前に薬剤情報提供⽂書等を患者にFAX等により送付してから服薬指導等を実施。
- 必要に応じ、薬剤の交付時に(配送した場合は薬剤が患者の⼿元に到着後、速やかに)、電話等による⽅法も含め、再度服薬指導等を⾏う。
- 薬剤交付後の服⽤期間中に、電話等を⽤いて服薬状況の把握や副作⽤の確認などを実施。
- 上記で得られた患者の服薬状況等の必要な情報を処⽅医にフィードバックする等の対応を実施。当該患者に初めて調剤した薬剤でない場合であっても、必要に応じて実施。
条件3
電話や情報通信機器を⽤いた服薬指導等を⾏う過程で、対⾯による服薬指導等が必要と判断される場合は、速やかに対⾯による服薬指導に切り替える。
条件4
患者のなりすまし防⽌の観点から措置を講じる(オンライン診療における措置に準じる)
オンライン診療における患者のなりすましの防⽌や虚偽の申告による処⽅を防⽌する措置について薬局に置換え
- テレビ電話等を⽤いた服薬指導
- 患者については被保険者証により受給資格を、薬剤師については顔写真付きの⾝分証明書により本⼈確認を、互いに⾏うこと。
- 電話を⽤いた服薬指導
- 当該患者の被保険者証の写しをFAXで薬局に送付する、電⼦メールに添付して薬局に送付する等により、受給資格の確認を⾏うこと。
- 電話を⽤いた服薬指導(電話、FAX やメールによる本⼈確認が困難な場合)
- 電話により⽒名、⽣年⽉⽇、連絡先(電話番号、住所、勤務先等)に加え、保険者名、保険者番号、記号、番号等の被保険者証の券⾯記載事項を確認することで差し⽀えない。
薬剤の配送等について
調剤した薬剤は、患者と相談の上、当該薬剤の品質の保持(温度管理を含む)や、確実な授与等がなされる⽅法(書留郵便等)で患者へ渡す。
薬局は、薬剤の発送後、当該薬剤が確実に患者に授与されたことを電話等により確認する。
また、品質の保持(温度管理を含む)に特別の注意を要する薬剤や、早急に授与する必要のある薬剤については、適切な配送⽅法を利⽤する、薬局の従事者が届ける、患者⼜はその家族等に来局を求める等、⼯夫して対応する。
支払いについて
患者が⽀払う配送料及び薬剤費等については、配送業者による代⾦引換の他、銀⾏振込、クレジットカード決済、その他電⼦決済等の⽀払⽅法により実施する。
その他
オンライン服薬指導等を⾏う場合であっても、患者の状況等によっては、対⾯での服薬指導等が適切な場合や、次回以降の調剤時に対⾯での服薬指導等を⾏う必要性が⽣じ得るため、かかりつけ薬剤師・薬局や、当該患者の居住地域内にある薬局により⾏われることが望ましい。
医師がオンラインで受診勧奨を実施した場合であって、患者に対して⼀般⽤医薬品を⽤いた⾃宅療養等の助⾔した場合には、当該患者が薬局等に来局せずに、インターネット等を経由した⼀般⽤医薬品の購⼊を⾏うことが想定される。薬局等においては、適切な医薬品販売⽅法に従って対応してほしい。
この際、当該医薬品に係る適切な情報提供及び濫⽤等のおそれのある医薬品の販売⽅法について留意する必要がある。
厚⽣労働省ホームページ「⼀般⽤医薬品の販売サイト」
薬局は、オンライン服薬指導等を⾏う場合の以下の点について、薬局内の掲⽰やホームページへの掲載等を通じて、事前に医療機関関係者や患者等に周知する。
- 服薬指導等で使用する機器(電話、情報通信機器等)
- 処方箋の受付方法(ファクシミリ、メール、アプリケーション等)
- 薬剤の配送方法
- 支払方法(代金引換サービス、クレジットカード決済等)
- 服薬期間中の服薬状況の把握に使用する機器(電話、情報通信機器等)
診療報酬上の取扱いについて
保険薬局において、保険医療機関から送付された処⽅箋情報に基づき調剤を⾏い、オンライン服薬指導等を⾏う場合
- 新型コロナウイルスの感染拡⼤を防⽌するため、4⽉10⽇事務連絡に基づき調剤を実施した場合、調剤技術料、薬剤料及び特定保険医療材料料を算定することができる。
- また、4⽉10⽇事務連絡にて規定するオンライン服薬指導を⾏った場合、その他の要件を満たせば、薬剤服⽤歴管理指導料等を算定することができる。